領域を広げて・・・現在のROX【沿革3】
現在ROXと関わりを持って下さっている方や、これからROXと関わって下さる皆様にとって、今までの道のりを知って頂くことで少しでも興味を持ったり、想いを寄せて下さることがあったら・・・と願い、ROXのこれまでの歩みを振り返ってきたコラム。
今回は、一歩一歩と進んできたこの道のりが、今現在どんな地点に到達しているのか?取締役COOの三浦と共に現在地を見渡したいと思います。
左:語り手 COO 三浦 右:聞き手 ROX 飯塚
お客様からのニーズにお応えすることで広がる領域
「来店客数予測AI-Hawk-」から予測AIの開発・サービスの提供が始まり、当初はパン屋、お菓子屋などの製造小売業が対象のメインでしたが
- 配車やトラックドライバーのシフト作成を効率化する「物流予測AI」
- 人材系企業向けのビッグデータの解析
- 通信販売の販売予測
- スーパーの混雑予測カレンダー
などと 徐々にサービスを展開する業種や、扱うデータの幅が広がっていきました。
―――こういった幅広い案件も、お客様から求められて展開していったのでしょうか?
三浦:「そうですね。いずれの取り組みも基本的にはお客さんの声、ニーズありきで始めています。ROXの基本的な考え方になりますが、ニーズだけを形にするということを重視しています。」
「現在ROXの主要なプロダクトのひとつとなっている “来店客数予測AI-Hawk-” や “物流予測AI-Buffalo-” も今のように、 ”店舗型の業態や小規模事業者でも手軽に利用できるAIアプリ” という部分を、当初から意識して開発していたわけではありません。色々な方に使って頂く中でニーズとして強かった店舗型の業態や物流向け、小規模事業者でも手軽に利用できるAIアプリだったに過ぎません。」
「例えば、物流事業社様向けにリリースしている物流予測AI-Buffalo-は、もともと東運輸様が非常にIT活用・AI活用に熱心なご姿勢でらっしゃって
- 日々の荷物数の波動を効率良く予測したい
- 職人のようなスキルの求められる業務を数値化して可視化することが必要
というお考えの下、受託開発案件としてスタートさせたのが始まりです。それが社会環境の変化とも相まって、今は主要なサービス・プロダクトのひとつとなっています。受託開発を始めた当初はここまで大きな需要があるとは思ってもみませんでした。」
「よく強みを活かせとか、ターゲットを絞れとか、熱狂的な顧客の声に耳を傾けろとか、各種フレームワークを用いたマーケティング手法等、世の中には色んな事業方針の決め方、商品企画の考え方が存在していますが、それらが最初から明確なら誰も困っていないわけで、それがわからないから新規事業の企画に困っていたり、新たな付加価値のサービス創出に困っていたりするのかなと思っています。つまるところ顧客のニーズだけをニーズの強い順に形にしていく、それがきちんとできているかどうかがとても重要だと思っています。」
「自分たちが売りたいものを売るのではなく、ニーズの強いものをとにかくマーケットに出してみる、必要なものかどうかはマーケットが判断する、という姿勢がどんなものを扱う場合においても大切だと思っています。」
ユーザーのビジネスを学び、理解して共に課題解決を目指す
―――直近ではどんなプロジェクトがありましたか??
三浦:「現在進行形のプロジェクトとしてレジシステムやPOSレジシステムとの連携、旅館向けのダイナミックプライシングや、宿泊予約数の需要予測などがあります。」
- レジシステムやPOSシステムとのシステム連携開発は、複数商談を進めているところです。単一の店舗向けに今までご提供してきた需要予測AIのシステムを、POSレジのシステムと連携させることで、より多くの事業社様に手軽に予測AIを使って頂くことが出来ます。
- ホテル・旅館業向けに予約数の需要予測やダイナミックプライシングの商談も進めています。ホテルや旅館ではコロナ禍で団体客が減少し、個人客が増えるなど取り巻く状況が変わる中で、複雑で変動する宿泊価格の設定を人が行っているところも多くあり、ご苦労されていらっしゃいます。
- 他にも「需要予測AI×何か」での開発案件のお問合せを頂くことが増えてきており、医療機器などの分野でも商談を進めています。
―――範囲が広がる中で、新しい分野のAI開発やデータ分析に取り組む上での障壁や、難しさなどはありますか?
三浦:「 私たちは、AIを作ったり、データ分析したりするのは得意ですが、色々なユーザー様のビジネスに詳しいわけではありません。例えば、パン屋さんの需要予測をするためには、パン屋さんのことを知らなくてはいけないというように、ユーザー様にサービスを使って頂くためには、日々どんな業務をされていて、どんなことにご苦労があって、どんなことを克服できたら事業成長や効率化につながるのか?を一緒に考えなければなりません。そういう意味でいうと新しいお客様に対して、私たちが学ばなければならないことは本質的には変わらないと思っています。」
お客様からのご要望から実現したサービスも盛り込んだ受託開発ページ
株式会社BSMOへのグループインがもたらしてくれたこと
2020年、世界規模の未曾有の事態。先行きの見えない出来事に何となく不安を感じながら過ごしていた日々・・その発表は突然ありました。2021年11月 株式会社ROXは 株式会社BSMOにグループイン致しました。
―――グループインした経緯や変化についてお聞かせ下さい
三浦:「グループインした経緯として挙げられる理由が、大きく3つあります。」
- ユーザー数が増えていくにつれ、社会的責任が増したため、より安定した事業基盤の下、事業運営していく必要性がでてきたこと。
- ROXは営業面・マーケティング面に課題があり、BSMOグループは営業やマーケが強みでもあるので、弱点をカバーできると思ったこと
- BSMOグループの目指すべき姿への強いモチベーションに惹かれ、0→1はできたので今後は1→100とするような、スケールを目指すようなチャレンジをしてみたいということ
「会社の体質として経営基盤・事業運営基盤が強化されたのは勿論のこと、通常ではなかなかアプローチできない顧客層やトップ同士の繋がりを活用することができています。またBSMOの営業部隊には電話一本でモノを売るスペシャリストが揃っていますし、マーケティングへの造詣が深いメンバーも在籍していますので、日々そういった方々のサポートをいただきながら事業運営してますね。」
三浦: 「グループインする前は、ROXとしてきちんと経営が回ることが重要でしたので、基本的に堅いビジネス、きちんと収益化できることが確実な案件を中心に何にどのぐらい取り組むか、マンパワー、リソースを投入するかを決めていました。私も中川ももともと堅いメーカー出身ということもあって、やはり堅いビジネスを確実にものにするという意識が強かったです(笑)魅力的な案件だったとしても、ビジネスとして成り立たなそうな場合には、取り組みたくても取り組むことが出来ませんでした。」
「グループイン後は、BSMOグループ全体としてスケールする、会社の市場価値が飛躍的に高まるような事業運営が優先されるように変わりました。会社の市場価値を高めるような事業運営が重要になっています。従って、市場に大きなインパクトをもたらすことができるようなサービス・プロダクト・提携を最も意識して今は事業運営しています。例えば、社会的意義の強い開発や、既に多数のユーザーを抱えているような独自の経済圏が出来上がっているような企業向けの開発、 ブランド力のある企業様との提携や共同開発等、短期ではなかなか収益化が難しかったり、開発に時間を要するような案件にも、今はより積極的に取り組むことが出来ています。」
「世の中の流れとしても、単純に売上をより多く上げるというだけでなく持続可能な地球環境に貢献する会社にマーケットは価値を見出すようになってきています。フードロスの改善・働き方改善・ヘルスケア・途上国への商売の活性化など、将来的に可能性のある事業への価値が高まっています。」
「また、社会的意義のある案件に取り組むことで、私たち個人個人も業務を通して社会貢献することができ、やりがいを感じることができます。仕事をする以上、世の中の誰かのためになることができたら嬉しいし楽しい。そういった満足度の向上につながるような案件ができるようになってきたこともグループインして良かったと思うことの1つだと思います。」
次回は、過去・現在から視点を変えて2021年8月の現在地から見る未来像についてお話しを展開していきます。是非、ご覧ください。
ROX history#1 会社の創業~自社プロダクトの認知まで【沿革1】
ROX history#2 メンバーの増加~社名変更【沿革2】
ROX history#4 ROXのこれから ――【未来像】