会社の創業~自社プロダクトの認知まで【沿革1】

2015年10月株式会社テクニコルとして代表の中川 達生が立ち上げた会社が、株式会社ROXです。現在はAIアプリケーション開発事業・データ解析事業を主に行っており、AIを用いて様々な事業社様の課題解決を行うべく邁進しております。

現在は12名ほどのメンバーで仕事をしていますが、ROX創業までの期間、企業務めをしていた起業直前の2年間や、サービスの開発や営業を1人で行っていた当時のことはメンバーもあまりよく知らないところ。また、現在ROXと関わりを持って下さっている方や、これからROXと関わって下さる皆様にとって、今までの道のりを知って頂くことで少しでも興味を持ったり、想いを寄せて下さることがあったら・・・と願い、今回はROXのこれまでの歩みを振り返ります。

代表取締役CEO 中川達生

野球漬けの学生時代を経て、インフラを作るような大きな仕事をしたいという希望を叶えるため、機械メーカーに入社し、電力プラント設計の部署にエンジニアとして配属。メーカーに勤務する傍ら、英語をコツコツ勉強し、300点半ばだったTOEICが800点を超えるように。次第に海外案件に関わりたい、プロジェクト全体に関われる仕事をしたいと思いはじめ入社4年目で、総合商社への転職を決意。

転職先では、石油ガス掘削で使われる鉄鋼製品を輸出する仕事を担当。海外を飛び回り、最前線の営業マンとしてプロジェクトを進める仕事ができとても充実していたころ・・・

親友との別れが「人生は短い」ことを気づかせてくれた

中川:「高校時代から一番仲の良かった友人が、仕事のストレスで強いうつ病を患いました。人はうつ病になると免疫力が下がって、風邪でもすごく長引くようになります。彼は風邪が治らず薬を服用しすぎた影響で、心不全になり突然亡くなりました。」

「一番の親友だったので、三日三晩涙が止まりませんでした。友人への想いには限りがありませんが、今まであまり考えたことがなかった “人生は短い” という事実を強烈に突き付けられたんです。また、自分とも似たところが多くある親友でしたので、彼の身に起きたことは自分にもあり得ることだと実感しました。」

「自分もいつ死ぬかわからない。であれば、やりたいこと、自分が正しいと思うことをシンプルに全力でやる人生、明日死んでも良いように悔いなく生きたいと思うきっかけとなりました。」

「自分の人生を深く考え、死ぬときに悔いがないようにしたいと思うに至りました。20代の頃から将来的には自分で起業をしたいと思っていたので、悔いを残さないためにも、起業をしようと決意しました。」

「ただ、すぐに家族の理解を得られた訳ではありません。妻から ”何をするの?どうやって収入を得るの?” と聞かれて、何も答えられませんでした。。。当時の私は想いが先行していて、どんなビジネスをするか明確には決まっていませんでしたので。何も説明できない私に対して、妻からは賛成を得ることが出来ませんでした。」

「冷静に考えれば、妻の意見も非常に理解できます。起業を選べば私自身は【自分の】人生を悔いなくするという自己満足が実現出来ますが、既に人生を共に歩み始めている妻にとっては、【家族が】どうなっていくのか、不安しかないという状況です。上場企業に勤めていた私は比較的安定した大型船に乗っていたと言えるのですが、それが、起業すればどんな泥舟になるのか、想像もつきません。私が逆の立場ならば、当時反対したことも頷けます。」

「そこから、コツコツと妻と話し合いの機会を設けるなどして、2年がかりで話をしてきて、最終的には応援してくれるようになりました。今では最大の理解者であり協力者です。妻には、最終的に私を信じ、背中を押してくれたことに対して、本当に感謝してもしきれません。」

左:語り手 中川 右:聞き手 ROX 飯塚

大切なのは経営理念

―――起業するための準備期間はどのようなことをしていましたか?

中川:「どういった事業を起こすのか?企業勤めをしながら退職するまでの2年間、土日や祝日に、資格の勉強やプログラミングスクールに通い、独立に繋がりそうなことを手当たり次第やりました。また、起業に向けて事業計画書の作成や事業の競合他社分析などを行い、”どんな事業をするか?”というプランを練ることに時間を費やしていました。」

「どんなビジネスが上手くいくか? かなりの時間を使って検討しました。でも、検討すればするほど、ちょっと違うなと感じたんです。商社でいくつも新しいビジネスにチャレンジする中で、ビジネスというのは上手くいく方が少ないと体験してきました。ですので、ひとつのビジネスプランを長い時間かけて考えるよりも、どんどんやってみることが大切であり、時代とお客様のニーズによって事業内容は変わっていくものだと考えました。」

「では事業内容が変わったとしても、会社にとって不変なもの、ニーズや時代でマーケットが変化しても変わらないものは何か?それは経営理念ではないかという考えに至りました。会社のビジョンや理念はずっと変わらないもの。まず経営理念を固めることにしました。」

考え続けた中で決めた会社の理念は
「人生をおもしろくする。世の中をおもしろくする。」
今でも変わらず理念として掲げています

当社コーポレートサイトの「会社概要ページ」ヘッダー部分

中川:「また、前職は商社、前々職はメーカーでエンジニアとして勤務していましたが、自分はモノづくりの方が楽しかったので、起業するならば、技術系の会社にしようということは当初から思っていました。また長年ビジネスを経験してきて、ビジネス全体の流れの中で、卓越した技術を持つ会社は非常にポジショニングが強いということがわかっていました。このことも、技術系ベンチャーにした強い理由です。」

そこで、技術(テクニカル)で
人生をおもしろくする。世の中をおもしろくする。(ニコっとさせる)という経営理念から
【株式会社テクニコル】という社名で2015年10月会社をスタートさせます。

ウェアラブルデバイス×メンタルヘルス事業

―――当初はメンタルヘルスやウェアラブルデバイスなどを用いた事業を行っていましたが、具体的にどのようなことをしていましたか?またどんな事を感じていましたか?

中川:「夜間大学院に通い、特に興味を持ったデータ分析について深く学びました。当時2015年はウェアラブル元年と言われており、AppleウォッチやGoogleグラスが世の中に出始めたころでした。現在もROXの顧問でいらっしゃる越水先生の元、ウェアラブルデバイスとデータを分析をして何かを作ろうと奮起しました。」

「ウェアラブルデバイス × データサイエンス × メンタルヘルスで社会問題を解決するビジネスができないかと1年かけて研究活動を行っていきました。具体的にはウェアラブルデバイスで取得した、人の脈拍のリズムや乱れを数値化し、データ解析によりその人の状況を定量化、ストレスなどの見える化の研究やサービス開発を行っていました。」

また、産業カウンセラーと困っている方をマッチングするサービスや、画像認識の技術を使って、メイクの定量化など様々なことに取り組んできましたが、メンタルヘルス事業はなかなか日の目を見ることが出来ませんでした。

現場のデータを分析することで見えてきたこと

中川:「一方で大学院に通いメンタルヘルスの研究活動を行いながら、データ分析のスキルを上げるために、起業している友人に頼み込んで、現場の生データを分析させてもらいました。」

  • ペットの葬儀屋では、地域別のニーズのデータ分析
  • 地下アイドルのプロデュースの事業では「どんなアイドルが売れるか?」というデータ分析
  • 学習塾では、全生徒の偏差値計算や効果分析

中川:「その中で、大阪で飲食店を当時4店舗経営している友人に、店舗のデータを分析させてもらいました。」

様々な分析結果から男性向けメニューを充実させることが売り上げアップにつながることを示唆。男性向けのメニューを充実させ【メガハイボール】や【唐揚げセット】などを販売し、6年間で4店舗 →11店舗に拡大しています。

中川:「店舗数が11店舗まで拡大したことは、友人の経営努力や友人の会社の従業員の皆さんの努力によるものと思います。必ずしも、“データ分析の効果のみで友人の会社が拡大した!”とは思いませんが、その一翼を担うことが出来ていたのであれば嬉しいと思っています。」

この飲食店での分析が、「来店客数予測AI-Hawk-」に繋がります。ご利用頂いた事業社様からの評判が評判を呼び、使ってみたいという問合せを頂いたり、賞レースやセミナーなどにも積極的に参加しました。賞レースでは多くの方の前でプレゼンテーションすることで、認知も高まりました。

賞の受賞やお客様の評判、ブースでの出展などから、メディアで取り上げられることも増え、ブログやtwitterなどを用いた自社からの発信もこの時期にスタートさせました。

―起業当初の事業「メンタルヘルス」とは異なる形で活躍の場を広げていきましたが、変わらない軸になるようなものはありますか?

中川:「開発者が“開発できそうなもの”を開発して、ビジネスが成功するということはほとんどないのではないでしょうか?私自身の経験からして、私の思い込みで開発したものは全く売れませんでした。辛い時期が長かったですが、非常によい勉強になりました。一方で、来店客数予測AI-Hawk-は、純度100%お客様ニーズに基づいた開発したものです。求められて作ったプロダクトだからこそマーケットに受け入れてもらえたと感じます。」

「様々な起業家の例を見ても、最初は自分の主観で考え付いたビジネスで失敗し、徐々にニーズに沿うものを作ることでマーケットに受け入れてもらい、成長していくというのが世の常だと思います。自分の思い込みでプロダクトを作るのはやめよう。求められているものを愚直に真摯に作っていこうという気持ちです。そして、変わらずにあるのは “人生をおもしろくする。世の中をおもしろくする。” という経営理念です。

「社会から必要とされること、役に立てることに喜びを感じています。AI-Hawk-の認知は、起業前に事業計画を練りながら、”事業内容は変わるが、経営理念は変わらない” と考えていたことをあたかも自分自身で体現しているような出来事でした。」

次回は、メンバーが少しづつ増えていく中で、全員がリモートワークというワークスタイルにどのように行き着いたのか?また、創業当時の「テクニコル」から「ROX」に社名を変更した由来などを振り返ります。是非、ご覧ください。

ROX history#2 メンバーの増加~社名変更【沿革2】